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日々のメモ

日本の現代作曲家 –––– 三木稔

 

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いやあ、いい笑顔する男じゃないか。

 

音楽界で三木稔知名度がどれほどなのか知らないが、日本人の現代音楽に造詣の深い方なら知らない人はいないと思う –––– とはいえ、ワタクシは音楽に関する知識が塵っ屑程度である –––– 。

 

三木稔は偉大な作曲家だと「ワタクシは」思ってる。それは大きな2つの理由から。ひとつは二十絃の開発。ひとつは『男声合唱組曲「阿波」』の作曲。

 

三木稔の大きな功績のひとつは、やはり二十絃の開発だと思う。野坂操壽と共同で開発した二十絃は、今なお作曲家にも演奏家にも愛されている –––– 例えば三輪眞弘 –––– 。

 

三木の二十絃の作品ならラプソディが個人的にベストだ。最も、出だしは少々ダサい。

 


Miki Rhapsody for Koto.wmv

 

最近知ったのだが、三木の作品に『松の協奏曲』というのがあるが、これはラプソディを下敷きにしてっぽい。

 

 


松の協奏曲 韓国国営放送(KBS) 箏独奏:山田明美 Japanese KOTO CONCERT

そういえば、三木のお師匠の伊福部昭が『二十絃筝と管弦楽のための交響的エグログ』を作曲されてたな。武満徹の考え方と真逆で面白い。

 

 

 

さて、次が『男声合唱組曲「阿波」』の作曲なのだけれど、まあ知られていまい。男声合唱界というマイナーな世界ではメジャーな作品なのだが、この作品を合唱をやられてる方でもどれほどが知ってるだろう。

 

近年、松下耕先生なんかのおかげで日本民謡の合唱編曲が多くなされているけれど、日本民謡の理論をきちんと合唱のなかで体系化したのは三木稔その人だと考えている。

 

この組曲のなかには、ただ民謡を編曲した曲もあれば、三木による詞の曲もある。出生地である四国の文化を存分に盛り込んだ一作である。

 

5曲からなる組曲で、どれも面白いのだけれど、やはり終曲の『蹈鞴』が1番だ。終結部 –––– 最後の2分くらい –––– は、ただただヤバイ。

 


【三木稔】合唱による風土記 阿波 5 たたら(踏鞴)

 

日本民謡特有の五音音階が採られており、おまけにほぼ半音進行である。なんとも純日本的な和声だ。この和音の煌きは男声だからこそだと思う。

 

なんか、「日本の現代音楽家は邦楽とか使っててダサい」だの「音が野蛮だから無理」だの言うポンコツが世の中にはいるらしい。そこで、知の巨人こと柴田南雄伊福部昭への批評を思い出してみよう。

 

筆者のように、東京で洋楽を習わされて育った人間は、少なくとも戦前には伊福部の音楽を感覚的にはまったく受け容れることができなかった。今日でも、西欧風の技術的洗練や劇的展開こそ音楽の生命と思っている人々には、彼の音楽は異質のものでありつづけよう。 –––– 『海』

 

イヤアッ!柴田先生!って感じです。伊福部昭に対してのみならず、どうやら日本の現代音楽を冷遇するやつって、こういう考えがよくあるらしい。でも、聞いたか、音楽の生命が西洋風にあると思ってるのは、ドウヤラマチガイラシイ。


話に戻るけど、三木稔は面白い作品いっぱい作ってるんだから全集どこか出してくれませんかね。