aphanisis

日々のメモ。なお、記事はすべて真実

愛することの難しさ

 

 

ここのところ、よく安吾を想う

 

 

私は思惟の中で、あなたの肉體は外のどの女の肉體よりも、きたなく汚され、私はあなたの肉體を世界一冒瀆し、憎み、私の「吹雪物語」はまるであなたの肉體を汚し苦しめ歪めさいなむ畸形児の小説・・・(略)・・・私はあなたの肉體を汚さうと意圖してゐるのではなく、いつも、あなたの肉體や肉慾を、何物よりも清らかなものに書くことができますやうに、ほんとにさう神様に祈つてゐますが、書きはじめると、どうしても、汚くしてしまふ。私は昔から惡人を書きたくないのです。善いもの、美しいもの、善良な魂を書きたいのだが、書きだすと、とんでもなく汚い惡い人間、醜惡な魂に、自然にさうなつてしまふ。自然にどうしても、そつちの方へどんどん行つてしまふ。 『戯作者文学論』